2015年12月27日日曜日

金融審議会、決済サービスの開国とブロックチェーン技術の検討を促す報告


金融庁は2015年12月22日、金融審議会の、「決済業務などの高度化に関するワーキング・グループ」の報告を公表した。

報告は、金融審議会の「決済スタディ・グループ」による「中間整理」に続くもので、決済サービスなどの高度化に向けて、今後の具体的な行動計画と方向性を示すものだ。審議会の中間整理では、ITやグローバル化による最近の決済サービスを取り巻く環境の変化に伴い、決済の高度化に向けた基本的な論点や方向性が報告されていた。

報告によると、最近の動向として、ノンバンク・プレーヤーがこれまでの銀行業務を分化させ、それをサービスとして提供しており、それがリテール分野の変化を主導しているという。決済サービスを中心とした銀行業務の「アンバンドリング化」という、基本的な構造変化が進行しつ つあるのだ。

アンバンドリングとは、複数の要素や機能を束ね、構成する商品やサービスを個々の要素や機能に分解することである。

日本ではこれまで、決済サービスは銀行を中心とした分野であり、ノンバンク・プレーヤーや海外の動向とは関係が薄い、比較的閉鎖的な領域だった。しかし、最近の決済分野でのイノ ベーションは、主に、FinTech (金融 Finance 技術 Technology)企業を含むノンバンク・プレーヤーが牽引しており、こうした変化から、銀行は、世界的なイノベーションの動きに取り残されないよう、決済分野で、閉鎖的な構造からの転換を図らけければならない。銀行のみならず多様なプレーヤーが参加して競争し、決済サービスのイノベーションを進めるべきだ、と言う。

報告では、金融・IT イノベーションに向けた新たな取組みとして、携帯電話番号を利用した送金サービス、ブロックチェーン技術を含む新たな金融技術の活用可能性と課題の検討、セキュリティなどの観点から、オープン API のあり方の検討があげられている。

また、報告では、「仮想通貨に関する制度のあり方」という章で、仮想通貨がマネーロンダリングやテロ資金供与に利用される可能性を指摘すると同時に、仮想通貨交換所の破綻に伴う詐欺などの犯罪の可能性も指摘し、仮想通貨と法定通貨 の売買などを行う交換所は登録制とし、規制の対象とすべき、としている。    

0 件のコメント:

コメントを投稿