2017年8月5日土曜日

イーサリアムは生き延びるか


7月20日に史上二番目に大きいデジタル通貨の窃盗事件が起きた。FreeCodeCamp には、この事件の詳細と今後の問題点、イーサリアムの今後を解説する記事が掲載された。


攻撃は、イーサリアムネットワークの Parity マルチシグワレットの脆弱性を狙ったもので、これにより、3100万ドル以上が盗まれたという。さらに恐ろしいことに、時間さえ許せば、後1億8000万ドル盗まれていたかもしれないそうだ。

幸い、イーサリアムのコミュニティでで善良なハッカーグループ「ホワイトハット」が組織され、これを止めた。止めた方法も驚くべきもので、残された脆弱性のあるワレットが攻撃される前にをハッキングして中身を吸い出したのだ。のちにこれら吸い出された資金は元の所有者に返還された。

当の脆弱性は、イーサリアムあるいは Parity  自身にはなく、Parity クライアントがマルチシグワレットを展開するためにユーザーに与えるデフォルトのスマートコントラクト コードにあった。

非常に単純なプログラミングミスで、暗号はすべて健全だった。ただ、出荷時の設定に回復できるのとほぼ同じように、ワレットを再フォーマットできるバグがあり、攻撃者は自由に新しい所有者を設定できるものになっていた。

このバグがどうして放置されていたのか。

記事によると、コードは広範囲のピアレビューを受けていたという。

この種の間違いはプログラミングでは日常的に起こりうるし、プログラムにはすべて開発者のエラーというリスクがある、と言う。「彼らが単にもっと注意深かったら、こんなことは起きなかった」という見方は適切ではない。一定の規模になると、プログラマーが注意深いだけでは十分でない、と記事は指摘している。
「問題は、プログラミングツールチェーンが、これらの間違いを犯すのを許したことだ」
しかし、この記事の著者は以下のように続ける。「ブロックチェーンのエコシステムはまだ若く未熟で、ATM ソフトウェアのようにスマートコントラクトを扱えるようになるには、膨大な訓練や開発作業が必要だが、ブロックチェーンが長期的に成功するには、そこに到達しなければならない」
著者は以下のように結論付ける。
ホワイトハットに組織された開発者は、しかし、ブロックチェーンののエコシステムを信じている。現在は投機と荒稼ぎの場になっているものを未来に導くのは、これらの開発者であり、したがってイーサリアムが長期的には勝利する理由だ。彼らがイーサリアムを見捨てたときが、イーサリアムの最後だ。

2017年7月28日金曜日

ICO の懸念材料、デジタルコインは有価証券か?


ブロックチェーン技術会社はクラウドファンディングの手段として仮想通貨を発行それを販売して資金を得る ICOInitial coin offeringsを行うがこれは数分で数百万ドルも調達できる桁違いの資金調達方法だ
この ICO に対し、ブルームバーグの記事によると、イーサリアムネットワークの共同設立者、Hskinson 氏はある懸念を抱いているようだ。
ひとつは規制の脅威。米国証券委員会が、デジタルコインは有価証券だと言うのはありそうなことだ。
ICO で資金調達する新興企業は通常公認の投資家と取引し資金源を確認することを確認するというような伝統的な有価証券販売で要求される予防措置を省略する そこでデジタルコインの買い手がリスクを知らなかったと主張して発行者を訴える、訴訟につながるかもしれないからだ。



2017年7月24日月曜日

EEA は イーサリアムの OSDL?

EEAEnterprise Ethereum Allianceが7月18日に発表したところによると5月下旬以来34組織が新たに参加したそうだ参加組織は合計で150以上にもなるという

EEA はイーサリアムベースの技術のベストプラクティスオープンな標準オープンソースレファレンスアーキテクチャを構築し推進し幅広く支援するために創設された業界支援の非営利団体だ
Intel も Microsoft のメンバー企業であり新メンバーの中には Cisco Systems の名前もある
なんとなく既視感があるのは、2000年に設立された、Linux オープンソースの標準化を目指した業界団体である OSDL 創設当時の発表に似ているせいだろうか。

2017年7月19日水曜日

ある経済学者の予言


ビットコインなどの仮想通貨について、経済学者などアカデミック分野の人はどう考えているのだろうか。

ネットで検索してみても、現役の経済学者がインターネットや仮想通貨などに触れた記事は見つからない。少なくとも日本語では。


しかし、FEE のサイトで見つけたこの記事には、アメリカの経済学者、ミルトン・フリードマンからの引用があった。
「インターネットは政府の役割を縮小する主要な要因のひとつになるだろう、と私は考える。欠けているひとつのことは信頼できるイーキャッシュだが、それはすぐに開発されるだろう」ミルトン フリードマン1999年。

「それはすぐに開発されるだろう」という洞察がすばらしい。

2017年6月28日水曜日

イーサリアムはバブル状態にあるのかどうか

イーサリアム(Ethereum)の進展に伴い、ビットコインとともにチューモクを浴びるイーサ(Ether)。イーサは、分散開発プラットフォームのイーサリアムが発行するトークン(暗号通貨)で、最近の価格高騰でバブルが懸念されている。

しかし Inc の記事 では、Richtopia 創設者、Derin Cag 氏は、「世界経済フォーラム(WEF)によると、ブロックチェーン エコシステムは2025年までに世界の GDP(101兆ドル)の10%を占めるだろう。執筆時点で、ブロックチェーン トークンに結び付けられる時価総額は750億ドル。WEF が正しければ、これは2025年までに総時価総額は10兆1000億ドルになることを意味する。予測可能領域ブロックチェーン技術は、例えば、金融サービス、保険、サイバーセキュリティ、選挙、エネルギー、産科、アイデンティティ、法律、ガバナンス、医療などをカバーするように設定されている。WEF による予測が正確なら、ブロックチェーンエコシステムの予測成長率は今後8年間で約13,333%になるはずだ。このパーセンテージを超えるものがバブルだ。それゆえ、まだ道のりは長い」と説明している。

先のことは誰にも分らない。

2017年6月24日土曜日

イーサリアムのスマート契約で国家が作れるかどうか

ビットコイン(Bitcoin)とともに語られるブロックチェーン技術(Blockchain Technology)とは一体どんなものか知りたくてうろうろしていると、イーサリアム(Ethereum)にぶち当たった。

ブロックチェーン技術はもっぱらビットコインと関連付けられて語られることがほとんどだが、Blockgeeks に掲載されたイーサリアムの入門記事によると、ブロックチェーン技術によるアプリケーションは数多くあり、ビットコインはその一つにすぎないという。(以下は記事をまとめたもの)


ビットコインは、ユーザーがオンラインでビットコイン決済できるピアツーピアの電子キャッシュシステムを提供する分散アプリケーションだ。

「ビットコインにとってのブロックチェーンは、電子メールにとってのインターネットだ。ブロックチェーンは巨大な電子システムで、その上にアプリケーションを構築できる。通貨はその一つに過ぎない」
雑誌『Aeon』の記者Sally Davies

一方イーサリアムは、ブロックチェーン技術に基づいた開かれたソフトウェアプラットフォームで、開発者がそこで分散アプリケーションを構築、展開できる。

つい最近まで、ブロックチェーンアプリケーションを構築するには膨大なリソースが必要だった。また、コーディング、暗号学、数学などの知識が必要だった。

また、イーサリアムが作成される前は、ブロックチェーンアプリケーションは非常に限定された一連の操作を行うように設計されていた。ビットコインやその他の暗号通貨が、もっぱらピアツーピアのデジタル通貨として機能するよう開発されているが、
イーサリアムでは開発者に分散アプリケーションを構築するツールを提供しているので、仲介を必要とするあらゆるサービスを分散アプリケーションとして構築できる。

たとえばスマート契約、これはお金やコンテンツ、土地、株式、その他の価値のあるもを簡単に交換できるようにするコンピュータのコードの説明に使われるが、これがブロックチェーン上で実行されると、スマート契約は、特定の条件が満たされると自動実行する自己操作型コンピュータプログラムになる。検閲やダウンタイム、詐欺、または第三者から妨害される可能性はない。

また、イーサリアムは、指導者のいない完全に自立した分散自治組織(DAO)を構築するのに使用できる。DAO はイーサリアムブロックチェーンに書かれたスマート契約の集合体で、プログラムコードによって実行される。コードは、伝統的な組織の規則や構造を置き換えるよう設計されており、中央管理を排除する。人々に投票権を与える寄付はイーサ(Ether)と呼ばれるトークンで、DAO はトークンを購入するすべての人々によって所有される。
  

しかし、問題がないわけではない…。

2017年6月13日火曜日

ブロックチェーンは新しいインターネットか? 初心者向けブロックチェーンガイド

ビットコインを支えるブロックチェーン技術について、初心者が理解するのはなかなかむずかしそうだ。BlockGeeks のこの記事はどうだろうか。ブロックチェーンについて様々な視点からの解釈が掲載されている。

「ブロックチェーンは、デジタル情報を配信できるがコピーされない、インターネットの新しいタイプのバックボーンを作った。もともと、ビットコイン のために考え出されたものだったが、その技術には潜在的な用途がいくつもあるようだ」

ブロックチェーンによって、ビットコイン以外のデジタル通貨を作ることもできるのだ。

なぜそんなことができるのだろうか。なぜなら、「ブロックチェーンは、金融取引のみならずすべての価値を記録できるようプログラムされた、腐敗しない経済取引のデジタル元帳だ」だからだ。

「腐敗しない」とはどういうことか。

ブロックチェーンは「分散化されたデータベース」なのだ。コンピュータネットワーク全体に何千回も再現されたスプレッドシートがあり、ネットワークによってスプレッドシートは定期的に更新するように設計されている。

ブロックチェーンに格納された情報は共有され(絶えず調整されて)たデータベースとして存在する。このブロックチェーンデータベースは、単一の場所に格納されず、記録は公開され、確認できる。したがって、これを腐敗できるハッカーはいない。同時に何百万というコンピュータによってホストされているから、事実上不可能なのだ。


などなど。

2017年6月6日火曜日

ビットコイン(Bitcoin)の未来はいかに

ビットコイン(Bitcoin)やオルトコイン(Altcoin)などの暗号通貨の世界には、どんなタイプの人がかかわっているのだろうか。Bitcoin.com の記事では、6つのタイプが例として挙げられている。

ちなみに、オルトコインとは代替コインの意味で、ビットコイン以外のすべてのデジタル通貨を差しているそうだ。

以下は、Bitcoin.comの記事を要約したもの
  
さて、ビットコインに関わる第一の人々は、まず、ビットコインを所有することが目的で、長期的な観点から利益を得ることを考えており、何か異常なことが起こらない限り売却せず、所有し続ける。

ビットコインが長期保有され、市場に出ないと、ビットコインの量が少なく見える。これが、ビットコインのネットワークを改善するのだという。どうやって?

第二の人々は、ビットコインのトレーダーたち。彼らの全部がビットコインを所有しているわけではないし、ビットコインを蓄積するのが目的ではない。彼らは正規通貨をビットコインより多く集めることもあるし、ビットコインのデイトレードを行う。

第三の人々は、最初の、ビットコインの所有が目的の人々とは反対に、ビットコインがもっと使われて普及すべきた、とするビットコイン熱狂者たちだ。彼らはビットコインを商売や事業で使う。ビットコインを購入する人々だけでなく、それで請求書を支払ったり給料を払ったりしている。

第四は、最近増えたたくさんのビットコインの新米たち。かれらのうちのかなりは自分が何をしているのかわかっていないので、うるさいくらいにあらゆることを聞いてくる。新参者 は、ビットコインという技術に頭を突っ込む前に、Bitcoin 送金や安全な場所での保管などを知りたいだけだ。こういった新参者を支援することが、ビットコインの採用を加速する、という。
五番目は「ビットコイン最大主義者」と呼ばれる人々。熱狂的な開発者、Vitalik Buterin が作ったそうだ。最大主義者は、ビットコインこそが唯一の重要な暗号通貨で、そのほかの数百ある代替コインには価値がないとみなし、「シットコイン」と呼んで、ビットコイン用のチャットルームやフォーラムで議論することすら許さないらしい。
最後は、代替コインの愛好家たち。
このタイプの幾人かは、ビットコインは運が尽きたと言われてもビットコインが好きな人々だ。いつかビットコインが代替コインに置き換えられるかもしれない、と考えている人も大勢いる。しかし、ビットコインは他の代替コインの互換通貨として、決済層として最大の暗号通貨であり続ける、と考える人もいる。としてとどまり、代替コインの寄せ集めが第二層としてBitcoin と互換となる、と考えている。あるいは、いつか、Facebook が Myspace を食い尽くしたように、代替コインはビットコインよりすぐれたものになる、と信じている人々も言る。

ビットコイン愛好家のタイプの数ほど、ビットコインの未来があるわけだ。

2017年5月21日日曜日

金融庁が Bitcoin 事業者の登録を開始、40兆ドルの外為証拠金取引市場に Bitcoin が?


金融庁は2017年4月3日、仮想通貨の新制度をhttp://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf

開始した。改正資金決済法等を施行し、決済手段として Bitcoin などの仮想通貨が利用できるようにしたのだ。一方で金融庁は、国民が仮想通貨サービスを受ける際、サービス事業者が金融庁・財務局に登録しているかどうかを確認するよう呼びかけている。


https://news.bitcoin.com/bitcoin-could-tap-into-40-trillion-japanese-fx-margin-trading-market-this-year/ Bitcoin News によると, これで Bitcoin は40兆ドルの日本の外為証拠金取引市場に参入できるかもしれない, という.


元来日本の個人投資家はリスクを嫌い、理解しにくい投資を回避する傾向があり、これまで Bitcoin は敬遠されてきた。しかし、超保守主義で有名な日本の金融当局のお墨付きとあらば、 Bitcoin は逃すにはあまりに儲けが大きすぎるものだからだ、という。


ところで、日本で営業したい Bitcoin 交換あるいは送金ビジネスは、10月1日までに  FSA に登録し、年次監査を受けなければならない。登録手続きには多くのコストがかかり、そのうえ、大規模な KYC 手続きが必要で、さらに自社の資金から顧客のそれを分けなければならないなど、遵守しなければならない規則も多い。
それにもかかわらず、Bitcoin 事業者が金融庁の登録を受けようとするのは、フィナンシャルタイムズによると、日本の外為証拠金取引量は1四半期で約10兆ドル、年間ではおおよそ40兆ドルにもなるからだ、と記事には述べられている。

日本の個人投資家にとっても、Bitcoin 事業者にとっても、Bitcoin そのものにとっても実りの多い話である、かどうか、まだわからないが。

2017年5月14日日曜日

MIT メディア ラボが軽量ライトニングネットワーク クライアントのアルファ版を発表


Bitcoin.com によると、5月10日、MIT メディア ラボが、軽量ライトニングネットワーク ソフトウェアを発表した。「Lit」アルファ V0.1だ。

実行に独自の Bitcoin ノードがいらないもので、ワレットも内蔵している。Lit は既存のフルノードに接続できるそうだ。

Lit が現在接続できるのはテストネットワークにのみだが、いくつかの altcoin が Segwit を有効化しており、すでに Lit を配備できるテストネットが複数存在する。水曜日の早い段階で、Segwit は Litecoin での有効化に成功し、数時間内に、ライトニング 支払いが Litecoin の主要ネットワークで発生した。
Lit は現段階では主に開発者がライトニング ネットワークを実験するために作られた大まかなコードで、まだ作成中の段階。